Sweet Diary


07:30



いつもの時間に起床。
シャワーを浴びている間に洗濯機を回す。
さすがに寒いこの時期でも空気が乾燥しているから、大きなシーツを干してもあっという間に乾いてしまう。
今朝は定番の焼き魚に、大根の味噌汁、白菜のおひたし、納豆、以上。




08:30


本当は香と同じ時間に目は覚めたけど、布団の中でダラダラ。
夕べはミックと飲みに行ったから、眠いことこのうえなし。
喉が渇いたので、水を飲みにキッチンへ行ったら、香は屋上へでも行っているのか、作りかけの朝食が並んでいる。いい匂いだ。

ん? あーあ、これじゃ焦げちまう。

焼き魚の火を弱くし、出しっぱなしの味噌をしまおうとして、見慣れないものを見つけた。


ふふ〜ん。なるほどね。

今日の予定は変更っと♪




10:00


駅の掲示板をチェック。相変わらず空振り。
めげずに100枚ビラを配った。




10:30


香が駅前でビラ配りをしている。相変わらずマメなヤツ。
んなことしなくても何とかなるっつってんのに、
将来がどうのとか、いっつも目くじら立てちゃってさ。
真面目だねぇ。




12:00


CAT’Sで休憩。
カウンターに腰掛けると、何も言わなくても最初にコーヒーが出てくる。
実はこれ、メニューには載っていない、私だけのブレンド。らしい。
いまだに300円で飲ませてくれるコーヒーなんて、ないわよね。
我が家の経済事情を判ってくれて、お客さんには出せない格安の豆を使って、
海坊主さんのすごい技で美味しく淹れてくれている。
ホント、ありがたい話。
美樹さんの手作りサンドでお腹を満たし、幸せ気分で帰宅。




13:30


香がちゃんと帰ったのを見届けてから、オレもタコ坊主の店に行った。
タコの顔を見る価値はないが、美樹ちゃんとなると話は別だ。


「なんだ、お前。珍しくも仕事してきたのか?」


ちげーよ。ヤマ片付けたらこんなシケた店には来ないっつの。
昼前からチョロチョロしていた虫に、ちょっと脅しかけただけ。
それにしても、お前は相変わらず鼻が利くこと。


「やっぱり、香さんのファン?」


つか、ストーカー?
あんな凶暴オンナのどこがいいんだか。


「あら、彼女のファンは多いのよ。
昨日も、あのブレンドを飲ませてくれって人が来たわ」


香ブレンド、か。
いったいどんな高級豆を使ってんだろーね、このタコが。


「フン! 味オンチのお前には出さないから安心しろ」


言ってくれるじゃねーか、このヤロ。


「あ、あ、やめて!!! 壊さないで! 二人とも!!!!」




16:00


掃除も終った。アイロンもかけた。
夕食の下準備もほぼ完了。
朝、出かけるときはまだ寝ていた撩は、もぬけの殻。いったいどこへ行ったのやら。
でも、その方が都合いい。
さっさと取り掛かることにした。



何にって・・・・・・・・・・・・そうよ。そうなのよ。
私の大の苦手のお菓子作り・・・・・・はぁ〜〜(脱力)

過去の数々の失敗を乗り越え、かつ、
ド貧乏状態でも見栄を張れるような、
そして、究極に不器用な私でも作れるという、シンプルなチョコ。

以下、かずえさんから聞いたレシピ。
成功したら来年からずっとコレにするからメモっておくわ。


 <材料>

  板チョコ・・・茶色でも白でもいいから1枚を湯煎で溶かす。
  チューブ状のチョコ・・・板チョコが茶色なら白いチューブ、
  板チョコが白色なら茶色いチューブを1本。これも湯煎で溶かす。
  スライスアーモンド・・・適量を刻んでおく。
  アプリコットジャム・・・少量


<作り方>

  溶けたチョコにスライスアーモンドを混ぜて、型に半分入れ、冷やし固める。
  固まったら、型の真ん中にアプリコットジャムを落とす。
  残りのチョコを型に流して、冷凍庫で固める。
  型から外して、上面にチューブのチョコで模様を描き、また冷やす。    


                               以上!


これだけよ!! 
ふふん、どうだぁ!! って、まだ作ってないけどね。
要約すれば、市販のチョコを溶かして混ぜてまた固める。
味には手を加えないんだから、失敗のしようがないわよね。
これだけ、ならたぶん・・・・・・1時間?
2、・・・2時間?でできるわ。・・・・・・たぶん。
今年こそ、撩を感動させて、私のことを見直させるわ。




21:00


タイミングを見計らって帰ってみれば、
案の定、ほのかな甘い匂いに満ちたキッチンに戦場の名残があった。


「お、おかえり〜。早かったのね」


何、焦ってんだか。


「ご、ごはん、食べる?あとは温めるだけだけど」


んー。つか、その後ろに隠しているもの、くれよ。


「え、いや、これはまだ、その・・・。つ・・・包んでないし」


いらねって。どうせ剥がして捨てるだけだろ。ゴミだ、ゴミ。


「あ、あのね。一応手作りっていうか・・・・・・。
形はヘンだけど、味の保証はするから安心して」


はいはい、判ったって。
溶かして固めなおしただけだろ?
なんて、口が裂けても言えないけど。
それよか、お前、鼻の頭についてるぞ。


「ひっ、ちょ、ちょっと!」


お前、こういう時は目くらい瞑れよな。
ムードっつうもんがないだろ。
こら、逃げんなって。


「あ・・・・・」


あ?


「甘いね」


だろ?
美味いし。
これは一人で食べちゃ、勿体ねーだろ?
つーことで、メシは後回し。





               ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇







<あとがき>


皆様、お久しぶりでございます〜。
そろそろ動かねば、と思いつつも、クリスマスも年越しもすっ飛ばしたムツゴロウです。


撩  「いい加減、体も鈍るんですけど?」

ムツ 「・・・は、はいっ・・・」

撩  「サビちまったら、どう責任とる?」

ムツ 「いやはや、まったくもっておっしゃるとおりで・・・」

撩  「誠意が見えん!!!!誠意を見せろ!!」(某:北国ドラマより)

ムツ 「せ・・・・誠意とは・・・こんなもんでどう?」

撩  「だ、誰がお前の○○なんか見たいって言った?!」

ムツ 「じゃ・・・・・・こんなんで、どう?」

撩  「ぎゃ〜!! ピーーーーーーーー! なんか見せるなぁ!!」



撩ちん、逃げていきました。
近いうちに捕獲しますので、しばしお待ちください。



<End>